ピルの注意事項
服用について
- ピルは性感染症(クラミジア、淋病、コンジローマ、梅毒、HIV等)を予防するものではありません。これらの感染防止にはコンドームを使用することが大切です。
- 月経が2周期続けて来なかったり、飲み忘れなどで月経が来ないときは、妊娠の可能性もありますので、ただちに医師の診察を受けてください。
- 激しい下痢、または嘔吐が続くときは、薬の成分が吸収されにくくなり、妊娠する可能性が高くなりますので、医師又は薬剤師に相談・報告してください。
- 他の薬を服用する場合には、必ず医師または薬剤師に相談してください。
- 安全に服用するためには検診がとても大切です。長期間服用する場合には、採血、乳房・腹部のエコー検査、子宮がん検診を1年に1回は受けるようにしてください。
飲み忘れてしまった場合
- 1日のみ忘れた場合
気づいたときに直ちに飲み忘れた錠剤を服用し、その日の分も通常どおりに服用します。つまり、飲み忘れた次の日に2錠分服用するのです。
- 2日以上連続してのみ忘れた場合
飲み忘れが2日以上連続してしまったら、そのシートの残りの錠剤を飲むことはやめて、次の月経を待って新しいシートの錠剤を飲み始めます。なお、次の新しいシートをのみ始めるまでは妊娠する可能性があるので、他の方法で避妊しなくてはいけません。
- プラセボ(偽薬)を飲み忘れた場合
問題ありません。飲み忘れた錠剤は破棄しておきましょう。
服用できない方
次の項目に当てはまる人は、基本的にピルを服用することができませんが、服用できる場合もありますので、一度ご相談ください。
- 閃輝暗点の症状がある方(片頭痛の前兆として、視界にチカチカと光が現れ、目が見えにくくなる病状です)
- 血栓性静脈炎、肝塞栓またはその既住のある方
- 乳がん、子宮体・頸がん、子宮筋腫 またはその疑いがある方
- 脳血管、心血管系に異常のある方
- 肝機能障害のある方
- 高血圧、血栓症、心筋梗塞にかかったことがある方、またはその疑いがある方
- 糖尿病、高脂血症の方
- 妊娠(またはその可能性)、授乳中の方
- 最近手術をした、または手術予定がある方
よくあるご質問
- Q付き添いで、男性は入れますか?
- 恐れ入りますが、当院では、待合室での男性のお付き添いにつきまして、ご遠慮いただいております。診察室への同席を希望される方には、院外でお待ちいただくこととなりますので、あらかじめご了承ください。
- Qピルは避妊薬ですか?
- はい、ピル=低用量経口避妊薬のことですので、一般的には「避妊薬」と捉えられていることが多くあります。しかしその中身は、女性の体の中で作られるニ種類のホルモンが少しずつ含まれた「ホルモン剤」です。避妊だけでなく、子宮に関する治療等に広く使われるお薬なのです。
- Qピルを飲むと太りますか?
- 過去にはそういったこともありましたが、今では随分改良され、服用による体重の増加は多くても500g程度というデータが出ています。当クリニックで処方を行った多くの患者さんを診ていますが、服用することで病的に太ってしまった方はいらっしゃいません。安心して服用してください。
- Qピルは毎日飲まなくてはいけないの?
- 基本的には毎日できるだけ同じ時間に服用し、ホルモンの調整を行うことがこのお薬の目的ですので、服用方法は守っていただく必要があります。夜寝る前に服用する等、毎日の生活の中で取り入れやすい時間を決めることで、多くの患者さんが忘れずに服用できるようになるようです。もちろん、数時間程度のズレは問題ありませんので、安心してはじめてみてください。
- Qピルに副作用はありますか?
- 飲み始めてすぐ~2か月位までの間に、吐き気やおう吐等の副作用が出る場合があります。
(当クリニックでは約10%の方に見られる症状です。)
副作用をできるだけ軽減するため、服用開始1週間程度は吐き気止めを一緒に服用していただくことをお勧めしています。
- Qピルで肌がキレイになるって…ホント?
- 女性のニキビは、ホルモンバランスの乱れによる過剰な皮脂分泌が原因であることが多くあります。ピルの服用でそのバランスが整い、皮脂量が正常に戻り新しいニキビができにくくなるのは当然の結果です。当クリニックでもいわゆる「大人ニキビ」に悩む方へピルを処方していますが、ほとんどの方が3~6か月以内に改善されます。
- Qピルで生理を止められますか?
- いいえ、できません。ピルは生理を止めるお薬ではなく、ホルモンバランスを整え正しい生理周期にするお薬です。服用を始めると、通常よりも少ない経血量で、規則正しい周期の生理がくるようになります。
- Qピルを始めるために、何か検査が必要ですか?
- ピルを正しく・安心して服用していただけるよう、初診時は問診と血圧測定を行います。内診は不要ですのでご安心ください。服用開始後は半年に1回程度の婦人科検診(子宮がん検診、超音波検査及び、必要に応じて血液検査)をおすすめしています。
- Qピルを飲んでいれば、コンドームは使わなくて良いのですか?
- ピルの服用は避妊には効果がありますが、クラミジアやHIV(エイズ)等の性感染症を防ぐことはできません。性感染症予防のためにも、正しくコンドームを使用しましょう。
- Q他のクリニックでピルを処方してもらっています。ここでも同じものを
処方してもらえますか? - はい、既に継続してご利用であればご希望をお伺いしますが、当クリニックでは初診となるため、最初の診察が必要です。お薬は常に進化していますので、体の状態を定期的にチェックし、よりご自身に合うピルを選択しましょう。